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医療法人の社員の職務

医療法人について

2019.05.08

○医療法第46条の3の2
社団医療法人(ほとんどの医療法人は、これに該当します。)の業務(日常の仕事)は、定款で理事に委任したもの(実務上は定款で委任したものはありません。)を除き、すべて社員総会の決議によって行う。とされています。また、社員は、社員総会での議決権は各自1個と定められています。このことから社員が当該医療法人の支配権者といわれる所以であります。

○社員の退社(厚労省のモデル定款より)
① 死亡
② やむを得ない理由のあるときは、社員はその旨を理事長に届け出て、その同意を得て退社することができる。
すなわち、社員の退社につきましては、理事長に対し「やむを得ない理由」を申述し、かつ、「理事長の同意」があって初めて退社が可能となります。このことから、社員が理事長に「退社届」のみでは、社員を退社することはできないこととなります。因みに医療法人の社員とは従業員のことではありません。

医療法人運営管理指導要綱(社員総会の議決事項 ― 抜粋)

○毎事業年度の事業計画の決定及び変更
医療法人の業務につきましては、社員総会で決議を行うこととなっております。このことから当該事業年度の事業計画の変更につきましては、随時臨時社員総会の開催が必要となります。

○収支予算及び決算の決定
収支予算の決定は翌期の収支予算の話ですので決算月(例えば3月決算の場合は3月です。)に定時社員総会を開催する必要があります。次に、決算の決定につきましては、3月決算の例ですと翌月の4月~5月の間に当該事業年度の決定(以上は医療法第51条より)の為に年2回の定時社員総会の開催が必要となります。(但し、定款で定時社員総会の開催が年1回とされている場合は、例外的に同日において収支予算及び決算の決定を行うこととなります。)

○借入金額の最高限度の決定
借入金額の最大額にかぎらず、新たな借入を実行する場合には臨時社員総会が望ましいでしょう。(本来、医療法人の業務は社員総会の決議によります。)

○社員の入社及び除名
社員の入社につきましては、臨時社員総会の開催が必要ですが、除名は医療法第46条の3の2⑥により原則として不可能と考えて下さい。よって、一度社員に選任しましたら、死亡又は本人の退社届により理事長の同意を得た場合(モデル定款より)に限り退任が可能であり、除名又は免職は無理と考えて下さい。

○その他重要な事項
当医療法人の業務すなわち、日常の仕事につきましては、原則として臨時社員総会で決議されますが、定款で理事に委任している通常の業務は例外として理事の過半数で決することとなります。(医療法46条の6の2)

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